これまでの50年、これからの50年!

この本は我が故郷仙台の東部を紹介した「仙台藩をささえた米の道」(地元学の会が編集)です。
この本に略50年毎に3枚の地図が挿入されていますが、その内の2枚です。

上が1946年頃、下が1998年頃です。
田圃が広がる仙台平野に集落が点在していた地域が、たった50年で激変していきました。

田圃だった所は宅地化され、卸商団地や工業団地。仙台新港の築港に併せ大規模工業団地も造成されました。
企業が張り付いてきますと、周辺には住宅地も造成されてきます。

この50年の間には、「これからはモータリゼーションの時代!」と中心部を循環していた市電が廃止され、副都心化構想に従い南北に住宅が張り付き、地下鉄南北線が開通しました。当然の如く、人口は右肩上がりに増加し、住宅価格も上昇、バブル崩壊後は急落するも何回にも亘る住宅優遇税制の効果も出て、徐々に回復してきました。
これが、「これまでの50年」の経過です。

さて、「これからの50年」はどうなるでしょうか?
現在の人口構成は少子・高齢化といわれていますが、私などの団塊世代の高齢者は後20年ほどで亡くなってしまいます。
現在でも古い団地は空家だらけですし、仙台の住宅は殆ど核家族ですので、団塊世代の住宅は今後急速に空家になると思われます。

空家が多くなるとどうなるでしょう?
ゴミの不法投棄、商店の減少など住み難さが上がれば更に人口減少が進みます。
利用度が低い下水道はどうなると思いますか?
押水が無い為、至る所で閉塞を起こし、マンホールから溢れ出すでしょう!

宮城県では、水道事業の民営化を検討するようですが、利用者が減少しますと売上が減る訳ですから、料金は上がることがあっても下がる要因は見当たりません。

書いている事がネガティブばかりになってきましたが、不動産をお持ちの方は本気で考えた方が良いですね!早めに!!

消防設備点検!

築後25年になる管理ビルの年2回行っている消防設備の点検日でした。

仙台市駅前のアーケード街にあるこのビルは、建築前はこの界隈で唯一の木造の建物でした。
防火の観点からも耐火建築物に建替えを求められていましたが、オーナーが東京勤務ということで、建替え計画も進んでいませんでした。

ある方の紹介でオーナーに面会し、建替え計画を具体的に進めることになりました。
旧木造建物にはテナントさんが2軒入居しており、立ち退き交渉や仮店舗の保障等、細かな打合せが始まりました。
並行して設計概要、ビルの事業計画、資金計画、建築確認や建設業者の選考、テナント募集が続き、完成・入居まで2年の歳月を要しました。

独立開業してから初めての大型プロジェクトでもあり思い出深い物件です。
お陰様で、現在まで管理業務をさせて頂いております。

家族信託

2年程前から良く勉強会のテーマとなっている「家族信託」ですが、いざ自分の事になると中々実行出来ないテーマでもあります。
「まだまだ大丈夫!」、「親族同士でも話題にしたくない!触れたくない!」というのが実情ではないでしょうか?

元気だった親でも、転倒し骨折したことが発端で、寝たきりになり、急激に体力が低下し、そして痴呆が進行していきます。
意思表示も困難になり、名前を書くことも出来なくなってしまいます。

この様な状況になってしまいますと、契約行為が出来ないばかりでなく、何かあった時にと貯めていた定期預金の解約も出来なくなってしまいます。
長期の入院となると、それは大きな問題となります。

「生命保険」は誰の為に入りますか?
自分の為にではなく、残された家族の為に入りますよね!
「家族信託」も同様です。
長期の寝たきりになった時、家族の生活維持、財産の保持の為にも、はっきりとした道標(みちしるべ)が必要です。

元気なうちに、「遺言」だけでなく、「家族信託」も明確にしておきたいものです!

 

インスペクション制度の現況!

インスペクション制度が今年4月から施行されましたが、現在の進行状況とその全般を勉強してきました。

今まで、新築優遇を取ってきた行政も、住宅飽和の実態から漸く既存住宅の活用に舵を切ってきました!

安心して既存住宅を購入して貰うべく、インスペクターによる診断を受けて住宅の状態を知って貰うと言う趣旨の制度ですが、その普及は進んでいない様です。

現在のところ、このインスペクション制度は全ての既存住宅に義務付けされているのでは無く、「やっても良い」が、「やらなくても良い」と言う中途半端な制度です。

既存住宅購入者が「インスペクションをして下さい!」と言わない限り普及していかない制度と思われます。

地方都市に於ける不動産投資のリスクを考察

< 2011年2月24日 不動産コンサルタントのページに記載したものを加筆して再掲載します >

http://www.facebook.com/note.php?note_id=200411356651749

仙台市内に於いて賃貸マンション事業を行った土地所有者が何人か自己破産されています。
このような方の共通項を挙げると次のようなものがあります。
1.25世帯以上のRC賃貸マンションのオーナーである。
2.数少ない所有する土地資産に、目一杯の建物を建築している。
3.自己資金は殆ど無く、事業資金は全額融資を受けている。
4.事業計画は予想賃料が下がることなく、むしろ上昇を見込んでいる。
5.入居率を高く見込んでいる。

では、何故不動産事業が破綻してしまったのか考察してみます。
不動産事業を提案された土地所有者は表面的な利回りだけを捉えて不動産投資をしたと思われます。
平成7年前後の仙台市中心部の事業概要は一般的には次の様な内容と想定します。
建築費 27,000万円 37万/坪(共用部を含む)  5階建て 25世帯
戸当り 20坪(専有部) 月額賃料100,000円 (3LDK相当)
資金 全額借入 35年 金利3.0%  定額償却
空室率 5%

このような条件で計算しますと、収入は年間2,850万円ありますが、借入金返済額は1,260万円程あり、他の経費を差し引きますと当初5年の年間収支は1,400万円になります。
不動産所得税を払った後の実質収支でも1,000万円程手元に現金が残ります。
しかし、設備関連の償却が完了する15年以降については不動産所得が急増し、実質収支は500万円程度に激減してしまいます。
その後も借入金の金利分の減少により、不動産所得額が増加し、実質収支は更に減り続けることになります。

当初の計画

 

仙台市内でも周辺部に於いては同時期、次の様な事業概要と想定します。
建築費 27,000万円 37万/坪(共用部を含む)  5階建て 25世帯
戸当り 20坪(専有部) 月額賃料70,000円 (3LDK相当)
資金 全額借入 35年 金利3.0%  定額償却
空室率 5%

このような条件で計算しますと、収入は年間2,000万円程ありますが、借入金返済額は1,260万円程あり、他の経費を差し引きますと当初5年の年間収支は500万円になります。
不動産所得税を払った後の実質収支でも460万円程手元に現金が残ります。
しかし、設備関連の償却が完了する15年以降については不動産所得だけが急増し、実質収支100万円以下に激減してしまいます。
その後も借入金の金利分の減少により、不動産所得額が増加し、税額増加で実質収支は事業開始20年目辺りで実質収支は殆どゼロになってしまいます。

賃料を現況に合わせると・・

このような厳しい現実に追い討ちを掛けているのが、空室率の上昇と賃料の下落です。
仙台圏に於いては賃貸住宅の空室率が20%を越えており、それに伴う入居者の引き抜き現象で賃料が下落し、大きく事業計画を狂わせています。
環境的には恵まれている中心部の事例であっても、空室率が20%で、賃料の下落が2年毎に3%とした場合には事業開始20年後に実質収支がゼロになってしまいます。
当然ながら、仙台市内の周辺部では更にその時期が早くやって来ます。

土地の評価が高い所であれば資産売却により借入金の返済も可能なのでしょうが、地価が下がり続けている周辺部に於いては売却による債務抹消も出来ない状態となります。
27,000万円の借入額は13年後で残債が20,000万円もあります。
年収が2,000万円程度の一棟売りマンションは粗利回り10%とした場合でも、20,000万円にしかなりません。しかしこのような粗利回りでは買い手が付きません。
今後の空室率の上昇と賃料の下落を考えますと、買い手は粗利回りは13%以上を要求することでしょう。
資産売却も出来ず、借入金返済や所有経費の支払が滞れば事業は破綻してしまいます。
自己所有の土地建てた場合でもこのような状態ですので、土地建物で購入し投資した方に於いては問題が更に深刻です。

このような状態を未然に防ぐには土地建物オーナー側に立ったアドバイスが重要になります。
建物を建てさせる営業ではなく、不動産事業を客観的に判断し、不動産事業をいろんな観点から土地オーナーに解説する人が必要になります。
不動産コンサルティングマスターとして、今後も研鑽していかなければいけないことを痛感する次第です。

「家賃並みの支払い」という落とし穴

<2012年2月29日の記事を再掲載します>
デフレ現象が長引いている現在でも若い方々の持家志向は健在のようです。
将来の生活不安に煽られ、リタイヤ後に家賃の掛からない住宅を確保して置きたい。
まして、「家賃並みなら買った方がお得くですよ!」というセールストークに乗ってしまうのも理解できます。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
例え家賃並みであっても、その他に維持経費が掛かります。
固定資産税・都市計画税、将来の修繕に要する資金の積み立て、庭木の維持費等々。
地方都市であっても、年間20万円以上は覚悟しなければなりません。
それより、もっと考慮しなければならないのは、日本の住宅価格の時間劣化です。
10年で新築価格の1/2になってしまう中古住宅市場という現実です。
木造住宅でありながら35年のフルローンが組めるという新築住宅優先という偏重政策も問題です。
その辺りを表すと次のような図表になります。

家賃並み?

新築で購入しても入居した時点で中古住宅となり、売却しようとしても10~15%程度の下落は避けられないでしょう。
購入10年後の時点で、事情により、その住宅に住めなくなった場合はどうなるでしょうか?
35年ローンを組んでいる故、残高は左程減っていません。
売却するにしても売却価格は半値では数百万円の追い金が必要となります。
売却が不可能となり、賃貸にした場合でも月額のローン支払いより安い賃料しか得られないという現実があります。
ほんとに自分の資産に成り得る時はローン完済した時です。
それまでは、「家賃並み!」などというトリックには十分注意すべきです。
その家賃も年々下がり続けています。
今後も空家が増え続け、2,30年後には30~40%にもなるとうレポートもあります。
そんな30年後の家賃、いったい幾らになっていると思います?